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固有時との対話

こゆうじとのたいわ

吉本隆明·現代

吉本の文学的出発点となった自家版詩集

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哲学戦後思想

この著作について

【内容】吉本隆明が1952年8月に自家版で刊行した詩集である。戦後の孤独と「寂寥の底」から生存の条件を探る抒情詩的にして思想的な作品で、「固有時」という独自の時間概念を立て、時間の中で痩せ細る個と世界の関係を凝視する。後の評論的著作群を準備する思惟が、詩語の形で結晶している。

【影響と意義】翌年の転位のための十篇と並び、吉本の文学的出発点として戦後詩史に位置を占める作品である。荒地派や列島派とは異なる独自の戦後詩の方向を切り開き、田村隆一や鮎川信夫に代表される一群とも、戦中派の自閉とも区別される第三の道を示した。後に各種詩集・全集に収録され、若い読者に読み継がれてきた。

【なぜ今読むか】思想家としての吉本を読む読者にとって、その思惟の根に詩があったことを確認することは決定的に重要である。戦後の孤独を率直に詩語で歌うこの一篇は、自分の時間と世界の時間のずれに苦しむ者に静かな伴走者となる。

著者

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