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『ジェイムズの多元的宇宙論』
じぇいむずのたげんてきうちゅうろん
伊藤邦武·現代
ジェイムズ後期の多元的宇宙論と根本的経験論を辿る本格的研究書。
哲学
この著作について
プラグマティズム研究の第一人者である伊藤邦武が、ウィリアム・ジェイムズの後期思想を本格的に論じた研究書。岩波書店より2009年に刊行された。岩波オンデマンドブックスでも入手できる。
【内容】
多重人格現象や霊媒研究という、当時のジェイムズが深く関わった経験的探究を入口に置く。そこから宗教経験の世界へ進み、最終的に多元的宇宙論と根本的経験論という新たな存在論的着想に至るジェイムズ思想の冒険を、テクストに即して丁寧に辿る。一なる絶対者ではなく、互いに浸透しつつも還元不能な複数の経験の流れとして世界を描き直す試みが浮き彫りにされる。
【影響と意義】
日本の英米哲学研究において、ジェイムズはしばしば『プラグマティズム』だけで語られてきたが、本書は『多元的宇宙』『根本的経験論にかんする論集』などの後期著作の意義を回復し、ジェイムズ哲学の射程を拡げた点で重要である。プロセス哲学やネオプラグマティズム研究の参照点ともなっている。
【なぜ今読むか】
一元論的世界観に違和感を抱きつつ多元的世界の哲学的擁護を求める現代読者に、信頼できる入門と本格研究を兼ねた書として薦められる。
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