個
『個人心理学講義』
こじんしんりがくこうぎ
アルフレッド・アドラー·近代
アドラー個人心理学を体系的に提示した円熟期の講義録
心理
この著作について
アルフレッド・アドラーが1929年に公刊した講義録。フロイトと袂を分かって創始した「個人心理学(Individualpsychologie)」の全体像を、実践的な症例と共に最も包括的に示した著作の一つ。
【内容】
劣等感と補償、ライフスタイル、家族布置、早期回想、学校と子育て、神経症の構造、共同体感覚(ゲマインシャフトゲフュール)といった個人心理学の鍵概念が、一つずつ臨床例を通じて展開される。人間は単なる欲動の塊ではなく、主観的な「目標」に向かって統合的に動く存在であり、神経症や問題行動はすべて誤った目標設定の結果だとされる。治療の目的は「共同体感覚の育成」であり、社会関心を持った有用な個人になる道を共に探るという、極めて実践的・教育的な立場が貫かれる。
【影響と意義】
岸見一郎『嫌われる勇気』によって日本で再発見され、コーチング・親業・学校教育・キャリア論などに広く応用されている。人間性心理学、認知行動療法、ポジティブ心理学の源流の一つとも位置づけられる。
【なぜ今読むか】
「承認欲求」「親子関係」「目的論」といった現代の関心の多くは、アドラーの言葉でそのまま語れる。
著者
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