愛
『愛の世紀』
あいのらいさん
アラン・バディウ、ニコラ・トリュオング·現代
市場的マッチング時代に抗して愛の冒険性を語るバディウ対話集
哲学
この著作について
フランスの哲学者アラン・バディウがジャーナリスト、ニコラ・トリュオンとの対話をもとに2009年に公刊した小著。オンライン・マッチングサービスや「リスクのない愛」の時代潮流に対し、愛を哲学的な「真理の手続き」として再肯定した現代思想の主要著作。
【内容】
バディウは愛を偶然の「出会い」から始まり、差異を通じて「二つの視点からの世界の経験」を作り続ける持続的な冒険と定義する。マッチングアプリが約束する「完全にリスクを排除した愛」は愛の敵であり、哲学・政治・芸術・愛という四つの真理の手続きのなかでも、愛こそが「差異と共に生きる」最も身近な実験だと論じる。プラトン『饗宴』やキルケゴール、ランボーといった古典的参照をちりばめつつ、対話形式で平易に展開される。
【影響と意義】
『存在と出来事』などの大部の体系書に対し、バディウ思想を一般読者に開いた入門的名著として、世界的ベストセラーになった。現代の愛・関係性論の重要参照点。
【なぜ今読むか】
アルゴリズムが恋愛の選択肢を管理する時代に、愛の本質的な冒険性を哲学的に思い出させてくれる小さな古典。