フィロソフィーマップ

『イーリアス』ギリシア英雄叙事詩の世界

いーりあすぎりしあえいゆうじょじしのせかい

川島重成《かわしましげなり》·現代

イリアスを6つの主題で読み解く講読書

Amazonで見る
哲学古典学文学

この著作について

国際基督教大学教授であった川島重成《かわしましげなり》が、ホメロスイリアスを6回のセミナー形式で講じた読解書である。岩波セミナーブックスとして1991年に刊行され、2014年に岩波人文書セレクションへ収められた。

【内容】

アキレウスの怒り、運命と神々、戦士の名誉、親友パトロクロスの死と復讐、ヘクトルの最期、敵将の父プリアモスとの和解という六つの主題を立て、原典の重要場面を丁寧に読みほぐす。古典学の知見を踏まえつつも語り口は平明で、戦争と人間の尊厳という叙事詩の核を浮かび上がらせる。和解の場面に込められた赦しの思想を、聖書学者でもある著者が独自の視点から照らし出す点に特色がある。

【影響と意義】

専門的なホメロス研究と一般読者を架橋する役割を果たし、日本における『イリアス』入門書の定番となった。原典の細部に触れながら主題を立てて読む方法は、古典をいかに現代に開くかという問いへの一つの答えである。

【なぜ今読むか】

3000年前の叙事詩が今も新しいのは、怒りと喪失、そして敵を赦す可能性という普遍的主題を扱うからだ。本書はその核心へ最短距離で導いてくれる、信頼できる手引きである。

関連する哲学者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る