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『ハイ・イメージ論』
はいいめーじろん
吉本隆明·現代
視覚と空間のイメージを論じた晩期主著
哲学戦後思想メディア論
この著作について
【内容】『マス・イメージ論』の続編的位置づけを持つ全3巻の批評書である。第I巻(1989)から第III巻(1994)まで福武書店より刊行された。臨死体験、ファッション、衛星映像、CG、都市論、地図論、音楽論など、視覚と空間のイメージの諸領域を横断し、現代世界の認識構造を批評する。後にちくま学芸文庫化された。
【影響と意義】80年代の『マス・イメージ論』が水平的な大衆文化を扱ったとすれば、本書は垂直的・俯瞰的な視覚装置の論理を主題化する。衛星画像と地図の哲学、超高層ビルと都市の哲学など、メディアと空間の交差を扱う論述は、メディア論や都市論の先駆として評価が高い。晩期吉本の主要著作のひとつとして位置づけられる。
【なぜ今読むか】GoogleマップやVR、衛星映像が日常的に用いられる現代において、本書が予見した「ハイ・イメージ」の世界は完全に実現している。視覚装置がいかに人間の存在感覚を変容させるかを問う本書の論述は、デジタル時代の自己理解にも豊かな示唆を提供する。
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