擬
『擬制の終焉』
ぎせいのしゅうえん
吉本隆明·現代
60年安保を総括した戦後思想の転換点
哲学戦後思想政治
この著作について
【内容】1962年に現代思潮社から刊行された吉本隆明の代表的政治評論集である。60年安保闘争の総括として書かれ、日本共産党や社会党を「擬制」と批判して、市民民主主義的啓蒙の立場を斥ける。代わりに自立した大衆運動の可能性を提起し、知識人と大衆の関係を根底から問い直す論考を集める。
【影響と意義】戦後思想の流れを大きく転換させた著作として知られ、新左翼運動や反スターリニズムの理論的基盤を提供した。丸山眞男《まるやままさお》ら戦後啓蒙の代表的論者への批判は知的論争を呼び、「自立の思想的拠点」という言葉と共に長く参照される。本書以後、吉本は単なる評論家ではなく一個の思想的存在として広く影響力を持つようになった。
【なぜ今読むか】政治運動と知識人の関係をめぐる問いは、ソーシャルメディアが新たな擬制を生む現代でこそ切実である。理念と現実の乖離を直視し、それを自分の言葉で引き受ける本書の姿勢は、世代を超えて読み継がれるべき倫理を提示する。
著者
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