普
『普勧坐禅儀《ふかんざぜんぎ》』
ふかんざぜんぎ
道元《どうげん》·中世
道元が宋から帰朝直後に公刊した坐禅実修の根本テクスト
宗教日本
この著作について
日本曹洞宗の開祖・道元が、宋から帰国した直後の1227年に漢文で著した短文。坐禅の意義と実修法を万人に向けて説き明かした、道元思想の出発点にして『正法眼蔵《しょうぼうげんぞう》』全巻の実践的導入を成す根本テクストである。
【内容】
冒頭で、仏法はもともと完全に備わっているのに、なぜ修行が必要なのかを問い、「行持道環」すなわち修証一等(修行と悟りは別のものではない)の立場を提示する。続いて具体的な坐禅の方法——静かな場所の選定、結跏趺坐の組み方、呼吸の調え、心を鼻頭に集中し万念を捨てる「非思量」の姿勢——を簡潔に説く。末尾で「坐禅こそは安楽の法門」「仏祖の大道に入る正門」と宣言して結ぶ。
【影響と意義】
『正法眼蔵《しょうぼうげんぞう》弁道話』と並ぶ道元初期思想の双璧で、以後曹洞宗700年の日常坐禅修行の規範として連綿と読み継がれてきた。欧米でも鈴木俊隆『禅マインド ビギナーズ・マインド』を通じて広く参照され、現代のマインドフルネス瞑想の源流の一つとしても西洋での再評価が進んでいる。
【なぜ今読むか】
短時間で読める坐禅入門の古典として、ストレス社会の現代人にも即、実用となる。漢文原文は短いが、繰り返し味読することで徐々に言葉の凝縮と身体性が浮かび上がってくる。
著者
関連する哲学者と話してみる
