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『フーコー入門』
ふーこーにゅうもん
中山元·現代
フーコー思想の全体像を描く入門書
哲学入門
この著作について
翻訳家・思想史研究者の中山元《なかやまげん》によるフーコー思想の包括的入門書で、ちくま新書として長く日本におけるフーコー入門の定番とされる一冊。
【内容】
本書はフーコーの仕事を三つの時期に分けて整理する。第一は初期の考古学期で、『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』『言葉と物』における狂気、病、人文諸学の成立が扱われる。第二は中期の系譜学期で、『監獄の誕生』『知への意志』における規律権力、パノプティコン、生権力の分析が解説される。第三は晩年の自己の倫理学期で、『性の歴史』後半巻とコレージュ・ド・フランス講義録に展開される自己への配慮、パレーシア、統治性の思想が論じられる。フーコーが対象を乗り換えつつも、「主体はどのようにして歴史的に形成されるか」という問いを一貫して追究したことが示される。
【影響と意義】
フーコー思想は、監視社会論、新自由主義批判、ジェンダー研究、医療人類学、教育社会学、ポストコロニアル研究など、人文社会科学の広い領域に影響を与え続けている。中山は多数のフーコー関連著作・翻訳の背景に本書を据え、フーコー受容の裾野を広げる役割を果たした。
【なぜ今読むか】
監視社会、AIによる行動管理、ウェルネス産業、新自由主義批判のいずれの議論にも登場するフーコーを、一冊で立体的に理解できる。「権力」「統治」「自己」を日常を点検する道具として使いたい読者の入り口となる。
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