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ポジティブ心理学の挑戦

ぽじてぃぶしんりがくの ちょうせん

マーティン・セリグマン·現代

人間の強みや美徳に焦点を当て、ウェルビーイング(幸福な生)の科学的な理論と実践を論じたポジティブ心理学の主著

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哲学

この著作について

ペンシルベニア大学の心理学者マーティン・セリグマンが、自ら立ち上げたポジティブ心理学のこれまでを総括し、次の段階へ進めるべく著した主著。

【内容】

本書は、かつてセリグマン自身が提唱したオーセンティック・ハピネス論を拡張し、幸福の理論からウェルビーイング(人間の開花)の理論へと軸足を移す。新たに提示されるのがPERMAの枠組み、すなわちポジティブ感情、エンゲージメント(没頭)、リレーションシップ(関係)、意味、達成の五要素である。それぞれが計測可能な独立の要素として論じられ、個人の人生設計、学校教育のレジリエンス介入、米軍兵士向けの大規模プログラム、うつ予防のための認知訓練といった実践例が詳述される。アリストテレスのエウダイモニアが現代の科学と結びつけ直される。

【影響と意義】

本書以降、ポジティブ心理学はウェルビーイング研究、教育心理学、組織行動論、政策論の共通語彙となり、OECDやWHOのウェルビーイング指標の議論にも影響を及ぼしている。臨床心理学の重心を「病理の治療」から「強みの育成」へ拡張したセリグマン流の挑戦の現段階を示す。

【なぜ今読むか】

幸せとは何か」という問いに具体的な構造を与え、日々の小さな介入から人生の設計まで応用できる実用的地図を提供してくれる。燃え尽きや無気力が広がる現代に、計測と実践を結ぶ手堅い案内書となる。

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