原
『原論』
げんろん
エウクレイデス·古代
古代ギリシア数学を体系化した史上最も長く読み継がれた数学書
科学
この著作について
紀元前3世紀のアレクサンドリアの数学者エウクレイデス(ユークリッド)が著した全13巻の数学書。公理・定義から定理を演繹的に導く論証体系を初めて完成形で提示した、聖書を除けば西洋史上もっとも長く読み継がれた書物である。
【内容】
第1巻は平面幾何の基本(公準5「平行線公準」が有名)、第2〜6巻は平面幾何の応用、第7〜9巻は整数論、第10巻は無理数論、第11〜13巻は立体幾何(最後は正多面体の分類)。23の定義、5つの公準、5つの公理から出発し、465の命題を順次証明していく構成。「QED(証明終わり)」のラテン語定式もこの書の影響。
【影響と意義】
2300年以上にわたり数学教育の標準テキストとなり、スピノザの『エチカ』に見る幾何学的哲学、ニュートンの『プリンキピア』、カントの「アプリオリな総合判断」論に至るまで、論証の理想形を提供し続けた。19世紀の非ユークリッド幾何学の誕生により第五公準の独立性が明らかになっても、本書の演繹的方法論の権威は揺るがない。
【なぜ今読むか】
論理的思考の古典的訓練として、いまも価値を失わない。