環
『環境倫理学のすすめ』
かんきょうりんりがくのすすめ
加藤尚武《かとうひさたけ》·現代
環境倫理学の基本的な問題と理論を解説した入門書
倫理学入門
この著作について
応用倫理学の第一人者・加藤尚武《かとうひさたけ》が、日本における環境倫理学の基本的枠組みを提示した定番入門書(丸善ライブラリー)。
【内容】
本書は環境倫理学の中核を「自然の生存権」「世代間倫理」「地球全体主義」の三つの基本主張として整理する。第一に、人間以外の生きものや生態系にも道徳的配慮の対象としての権利があるか。第二に、現在世代は未来世代に対してどのような義務を負うか。第三に、地球規模の問題に対して地方共同体や国民国家の枠組みで十分かという問いである。そのうえで、功利主義・義務論・徳倫理学といった従来の倫理学枠組みが、環境問題を前にしてどこで限界に達するかが示され、新たな倫理的視点の必要性が論じられる。原発、森林、動物権利、リサイクルなど具体的論点にも触れられる。
【影響と意義】
日本における応用倫理学・環境教育の基礎文献として広く用いられ、多くの大学で教科書として採用されている。著者の『現代倫理学入門』『ジョン・ロック』などの仕事とあわせて、日本の倫理学の普及に大きな役割を果たした。
【なぜ今読むか】
気候危機が具体化する現代に、環境問題を「技術や政策」だけでなく「倫理の問題」として構造化する知的骨格を提供してくれる。環境を考え始めるときの信頼できる最初の一冊である。
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