現
『現代倫理学入門』
げんだいりんりがくにゅうもん
加藤尚武《かとうひさたけ》·現代
功利主義・義務論・徳倫理を幅広く整理した日本語の倫理学入門の定番
哲学
この著作について
日本における応用倫理学の先駆者・加藤尚武《かとうひさたけ》が、英米の倫理学研究の蓄積を平易な日本語で整理した倫理学入門の定番書。
【内容】
前半では、功利主義・義務論・徳倫理学・契約論・権利論といった規範倫理学の諸立場が、代表的な論者と鍵となる主張とともに紹介される。後半では、脳死・臓器移植・安楽死・出生前診断などの生命倫理、原発と世代間倫理などの環境倫理、戦争と正義、情報倫理といった応用倫理学の実例が取り上げられる。理論と応用を往復する構成によって、原理原則が現実の難問とどう切り結ぶかを具体的に追える。解きがたいジレンマを安易に解消せず、複数の立場からの理路を読者に提示する姿勢が一貫している。
【影響と意義】
講談社学術文庫で長く版を重ね、日本語で書かれた倫理学概論・応用倫理学のもっとも広く読まれている入門書の一つとなった。大学の倫理学・生命倫理の授業の教科書としても定番的な位置を占める。
【なぜ今読むか】
医療・環境・AI・戦争と、個々の価値判断を迫られる場面は尽きない。一人で悩む前に、人類がすでに積み上げてきた倫理の議論の地図を手早く把握するためのよい出発点である。
関連する哲学者
関連する思想
関連する哲学者と話してみる
