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未成年

みせいねん

ドストエフスキー·近代

『悪霊』と『カラマーゾフ』のあいだに書かれた自伝的色の濃い長編

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文学

この著作について

1875年刊。悪霊の後、最晩年のカラマーゾフの兄弟の前に位置する長編で、十九世紀ロシア社会の精神的混乱を、青年の一人称告白という形式で描いた作品。

【内容】

語り手は二十歳のアルカージー・ドルゴルーキーで、地主ヴェルシーロフの私生児として生まれ、「ロスチャイルドになる」という野心を胸にペテルブルクの社交界と闇社会に乗り込む。実父との屈折した関係、同じ女性ソーニャをめぐる争い、若い公爵夫人との恋、革命サークル、賭博、脅迫文書の追跡など、複数の筋が交錯する。語りが回想と現在のあいだで揺れ、青年の自意識と幻滅、父への怒りと憧憬が生々しく刻まれる。ホリンスキー夫人の脅迫文書をめぐる探偵小説的な謎解きと、父子関係の精神史的考察が並走する構造にも注目が集まった。

【影響と意義】

白痴以後の実験小説としての色が強く、第二十世紀のモダニズム小説(ジョイス、プルースト)の先駆的な叙述手法と評価されてきた。バフチンの「ポリフォニー小説」論の重要な分析対象でもある。

【なぜ今読むか】

家族への怒りとお金への執着、理想への激情が入り混じる青春の混乱は、時代を越えて普遍的に響く。

著者

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