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ディスタンクシオン:社会的判断力批判

でぃすたんくしおん しゃかいてきはんだんりょくひはん

ピエール・ブルデュー·現代

趣味と階級の関係を解剖した20世紀社会学の金字塔

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社会学文化

この著作について

フランスの社会学者ピエール・ブルデュー(1930〜2002)が1979年に公刊した代表作(原題『La Distinction: Critique sociale du jugement』)。20世紀後半の社会学・文化研究の最も影響力ある著作の一つである。

【内容】

副題が示すように、本書はカント判断力批判への社会学的応答である。「美的判断は普遍的だ」とするカントの主張に対し、ブルデューは趣味(taste)が階級的位置に深く規定されていることを大規模な社会調査によって示す。料理、音楽、絵画、家具、スポーツ、政治意見など生活の隅々において、人々の選好は経済資本・文化資本・社会関係資本の総量と構成によって構造化されている。「ハビトゥス」概念により、社会的位置が身体化された性向として再生産されるメカニズムが解明される。「文化貴族」「正統的文化」「中流の良き趣味」「庶民の好み」などの諸階級文化の構造が綿密にマッピングされる。

【影響と意義】

社会学における文化的再生産論の決定版。教育社会学、メディア研究、消費社会論、ジェンダー研究、グローバル研究に深い影響を与え、ロイック・ヴァカン、ベヴェルリ・スケッグスら多くの後継者を生んだ。日本でも石井洋二郎らの訳を経て、社会学の必読書となっている。

【なぜ今読むか】

SNS時代の「映える趣味」・サブカル消費・ブランド志向の社会的意味を分析する道具として、ますます有効。

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