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猫の大虐殺

ねこのだいぎゃくさつ

ロバート・ダーントン·現代

18世紀フランスの民衆文化史を読み解くアナール派の名著

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哲学歴史啓蒙

この著作について

アメリカの歴史家ロバート・ダーントンが1984年に刊行した『The Great Cat Massacre and Other Episodes in French Cultural History』の邦訳。海保眞夫訳、岩波書店刊 (現代選書、その後岩波現代文庫)。

【内容】

パリの印刷職人が飼い猫を殺戮した実際の事件を入り口に、18世紀フランス民衆の心性・象徴体系・社会関係を解読する。フォークロアと啓蒙の境界、カタリ思想とブルジョワ文化の交錯、検閲下の地下出版ネットワーク、書物の流通と読者層の形成を、複数のエピソードを通じて立体的に描く。アナール派の社会史と人類学的読解を融合した代表的著作である。

【影響と意義】

啓蒙思想を理念史の高みからではなく民衆文化史の地平から再構成する手法を確立し、後の文化史研究・読書史・出版史の方法論に決定的な影響を与えた。シャルチエやロジェ・シャルチエらフランス書物史の論者たちと並ぶ重要参照点。

【なぜ今読むか】

書物・情報・象徴のあり方を社会の中で問い直す現代に、啓蒙の物質的基盤を眺める視座を与えてくれる古典である。

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