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意識する心

いしきする こころ

デイヴィッド・チャーマーズ·現代

意識のハードプロブレムを体系的に論じた現代哲学の必読書

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哲学

この著作について

オーストラリア出身の分析哲学者デイヴィッド・チャーマーズが、学位論文をもとに刊行し一気に心の哲学の世界的議論を主導することになった大著。

【内容】

本書は、意識の「易しい問題」と「難しい問題」の区別から始まる。注意、学習、反応、報告など、認知機能の働きを脳の情報処理で説明するのは原理的には可能(易しい問題)だが、なぜそれに「何かとしての感じ」が伴うのかは別次元の問題(難しい問題)だと論じられる。続く章では、哲学的ゾンビ、逆転クオリア、知識論法などの思考実験を駆使して物理主義が意識を取り逃がす論証が展開される。最終部では、物理的性質とは独立に現象的性質を認める自然主義的二元論と、情報を基礎単位とする汎心論的構想が提示される。

【影響と意義】

本書が提出した「ハードプロブレム」という語は、哲学を越えて神経科学・人工知能・仏教的心の哲学にまで広まり、意識研究の共通語となった。統合情報理論(IIT)やグローバル・ワークスペース理論など、現代の意識の科学的モデルもチャーマーズの問題提起への応答として位置づけられる。

【なぜ今読むか】

大規模言語モデルや脳オルガノイドなど、「意識が宿るかもしれない」存在が増えつつある時代に、意識とは何かを真剣に考えるための基礎文献である。難度は高いが、章ごとに論点が整理されており、現代人の知的装備として価値が大きい。

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