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『オーギュスト・コント:社会学とは何か』
おーぎゅすとこんとしゃかいがくとはなにか
清水幾太郎·現代
社会学者・清水幾太郎による定評あるコント評伝
哲学
この著作について
戦後日本を代表する社会学者・清水幾太郎による、コントの簡潔で定評ある評伝である。岩波新書黄版として1978年に刊行され、のち岩波新書評伝選特装版(1995年)、ちくま学芸文庫(2014年)として再刊された。
【内容】
本書は、フランス革命後の混乱のなかで「秩序と進歩」を旗印に実証主義哲学を創始したコントの生涯を、社会学誕生史として描き出す。サン=シモンの秘書として出発しながら師と決別する青年期、『実証哲学講義』全6巻の執筆と精神的危機、クロチルド・ド・ヴォーとの出会いを経て晩年「人類教」へと向かう神秘的転回。学問の体系を構想する人物が同時に教団的なヴィジョンを抱く逆説を、清水は突き放しすぎず温かみのある筆致で追跡する。社会学の三段階の法則、諸科学の分類、人類への愛といったコント思想の主要要素も簡潔に整理される。
【影響と意義】
本書は日本におけるコント受容の里程標となり、社会学史の入門書として読み継がれてきた。文庫化により現在も入手しやすい。
【なぜ今読むか】
科学主義と宗教的衝動が同居するコントの姿は、データ志向の時代における信仰や倫理の位置を考えるうえで示唆に富む。
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