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ロラン・バルト·現代

写真の本質を「それはかつてあった」と定式化した晩年のバルト最終作

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哲学芸術

この著作について

ロラン・バルトが1980年に公刊した、写真論にして母の死をめぐる哀歌。バルトが交通事故で亡くなる直前の最後の著作となった。

【内容】

本書でバルトは写真の本質を「ça-a-été(それはかつてあった)」と定式化する。写真は常に過去の実在を証言する媒体であり、その実在はもはや現在には存在しない—この構造こそが写真を独特の「時間芸術」にする。バルトはこの分析を「ストゥディウム(知的関心)」と「プンクトゥム(突き刺す偶然の細部)」の対概念で深化させる。後半は亡くなった母の温室の写真をめぐる深い省察となり、客観的な記号論分析が個人的な喪の作業に浸透していく。

【影響と意義】

本書は写真理論の古典として、スーザン・ソンタグ写真論と並び、20世紀後半の視覚文化論に不可欠な参照点となっている。写真家・美術批評家・哲学者に広く読まれ、記号論・現象学・自伝の境界を越境する独自の知の形式を示した。

【なぜ今読むか】

スマートフォンの普及で誰もが撮影者となった現代だからこそ、写真とは何か・時間とは何か・他者の不在とどう向き合うかを問う本書の問いは切実に響く。

著者

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