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ベンヤミンの言語哲学:翻訳としての言語、想起からの歴史

べんやみんのげんごてつがく ほんやくとしてのげんご そうきからのれきし

柿木伸之·現代

ベンヤミン言語論を起点に翻訳と歴史を読む研究書

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哲学言語哲学

この著作について

【内容】広島市立大学の柿木伸之によるベンヤミン研究書である。平凡社から2014年に刊行された。ベンヤミンの初期論文「言語一般および人間の言語について」を軸に、翻訳論、想起、歴史哲学を一つの思想として連結して描き出している。アダムの命名行為、堕罪後の言語の凋落、純粋言語の救済といったモチーフを丹念に読み解き、後年の歴史哲学テーゼとの内的連関を明らかにする。

【影響と意義】ベンヤミン研究はメディア論や芸術論からの入口が多いなか、本書は彼の言語哲学を中心に据えて全体像を再構成する点に独自性がある。神学的なモチーフと唯物論的な歴史観の双方を、言語の問題として読み解くことで、断片的な著作群を一つの思考の運動としてつかみ直している。日本のベンヤミン受容のなかで重要な位置を占める研究である。

【なぜ今読むか】翻訳と想起をめぐる思考は、機械翻訳と忘却が日常化する現代に対し、別の言語観の可能性を提示する。ベンヤミンの「翻訳者の使命」が示す純粋言語の理念は、テクノロジーによる言語処理が進むなかで改めて読み返す価値を持つ。

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