新
『新天文学』
しんてんもんがく
ヨハネス・ケプラー·近代
楕円軌道則と面積速度則を提示した科学革命の画期
哲学科学天文学
この著作について
【内容】ケプラーが1609年に発表した著作である。原題は Astronomia Nova。ティコ・ブラーエの精密な火星観測データを徹底的に分析し、惑星の軌道は太陽を一焦点とする楕円であること(第一法則)、惑星と太陽を結ぶ動径は等しい時間に等しい面積を掃くこと(第二法則)を提示した。岸本良彦による邦訳が工作舎から刊行されている。
【影響と意義】コペルニクス的体系を、円運動という古代以来の前提から解放し、物理的因果の問題として再定式化した点で科学革命の決定的な一歩となった。後にニュートンが万有引力理論を構築する際の出発点となり、近代天文学の基礎を据えた書物として位置づけられる。観測と理論を架橋する方法論的厳密さも際立っている。
【なぜ今読むか】データを愚直に追うことで、いかに既成の世界像を打ち破る発見に至るかを示す典型例である。科学的思考のドラマを原典で味わいたい読者に勧めたい。哲学と科学が分岐していく瞬間に立ち会える知的体験となる。
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