世
『世に棲む日日』
よにすむひび
司馬遼太郎·現代
松陰と高杉晋作の師弟を軸に幕末長州を描く
哲学歴史小説幕末
この著作について
【内容】司馬遼太郎が吉田松陰と高杉晋作という師弟二代を主軸に、幕末長州の革命的精神を描いた長編歴史小説である。文藝春秋から1971年に刊行され、文春文庫全四巻に収められている。前半では松下村塾を中心に松陰の至誠と狂気を、後半では奇兵隊を率いた晋作の奔放な戦略を、それぞれの言葉と行動を通じて生き生きと再現する。
【影響と意義】司馬史観と呼ばれる独特の歴史叙述の代表作の一つであり、松陰像と晋作像を一般読者の間に決定的に印象づけた。松陰の純粋な思想と晋作の現実的な行動力を並置することで、思想がいかに時代を動かす力に転化するかという主題を浮かび上がらせる。維新を志した若者たちの群像劇としても優れている。
【なぜ今読むか】思想と行動、純粋さと狡知、覚悟と機略といった対比を、生身の人物のドラマとして体験できる。歴史的事実への敬意と物語の躍動感が両立しており、幕末史への入り口としても格好の一冊である。変革期を生きた知性と情熱に触れたい読者に勧めたい。
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