ヴ
『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』
う゛ぃるへるむ・まいすたーのしゅぎょうじだい
ゲーテ·近代
近代教養小説の原型をなすゲーテの青春遍歴譚
文学
この著作について
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが1777年から執筆を始め、四半世紀近い加筆を経て1795〜96年に全8巻を公刊した長編小説。近代ヨーロッパの「教養小説(ビルドゥングスロマン)」の原型とされる、ゲーテ中期の代表作である。
【内容】
商人の息子ヴィルヘルム・マイスターは、幼い頃に人形芝居に魅せられた記憶に導かれ、父の商売を継ぐ道を離れて旅芸人の一座に加わる。劇団の女優マリアーネとの失恋、謎の少女ミニョンとの出会い、さすらいの竪琴弾きとの交流、ハムレット上演の試み、やがて結社「塔の人々」に導かれて市民的成熟へと至るまで、遍歴と内省のあいだを往復する。芸術的天才として生きる夢と、地に足をつけた市民として生きる現実のあいだの葛藤が、全篇を貫く主題となる。
【影響と意義】
シラー、シュレーゲル兄弟、ノヴァーリスら同時代のロマン派を触発し、19世紀以降の欧州の成長小説の規範となった。ディケンズ、トーマス・マン、ヘッセ、村上春樹まで連なる青春文学の系譜は、すべて本書を前提としている。
【なぜ今読むか】
「なりたい自分」と「現に生きる自分」のあいだの摩擦という普遍的主題を、深く豊かな物語で体験できる。キャリアと自己実現を考え直す一冊である。
著者
関連する哲学者と話してみる
