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ビーグル号航海記

びーぐるごうこうかいき

ダーウィン·近代

進化論の胎動を記したダーウィン青年期の旅行記

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哲学文学

この著作について

チャールズ・ダーウィンが海軍測量船ビーグル号の5年にわたる世界周航(1831〜36)に博物学者として参加した記録を、帰国後1839年に公刊した旅行記。種の起源に先立つこと20年、進化論の萌芽が各所に見える青年期の主著である。

【内容】

全22章。南米大陸沿岸の調査を中心に、ブラジル熱帯雨林、パタゴニアの化石地層、ガラパゴス諸島の生物相、タヒチ、ニュージーランド、オーストラリア、ココス諸島、セントヘレナ島などを順に巡る。地質学者ライエルの漸進説に強く影響を受け、長大な時間のなかで大陸が隆起・沈降するという視点を前提に、化石と現生種の連続性、島嶼生物の独自性、人間社会の多様性を観察する。ガラパゴス諸島のフィンチやゾウガメの記述は、のちの自然選択説の胚胎を示す断片として有名である。

【影響と意義】

ヴィクトリア朝の旅行文学の傑作として同時代に広く読まれ、ダーウィンの名前を自然科学界に定着させた。旅行記と科学観察の境界を越えた本書は、19世紀自然学の到達点の一つであり、『種の起源』の着想が育った土壌を示す一次資料である。

【なぜ今読むか】

精緻な観察が大きな理論を生むまでの過程を、一人の青年の眼で追体験できる。観察するということの面白さを、文学的な文章で味わえる稀有な書である。

著者

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