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マイスター・エックハルト

上田閑照《うえだしずてる》·現代

上田閑照によるエックハルトと禅の比較研究

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哲学宗教

この著作について

京都学派の流れを汲む宗教哲学者・上田閑照《うえだしずてる》が、マイスター・エックハルトの神秘思想を西田幾多郎《にしだきたろう》以来の日本哲学と禅の視座から読み解いた研究書。

【内容】

本書はまず、十三〜十四世紀のドミニコ会神学者マイスター・エックハルトの生涯と歴史的背景、ラテン語著作とドイツ語説教の位置づけを概観する。続いて、エックハルトの鍵概念が丁寧に解きほぐされる。自我と所有を手放す「離脱(ゲラッセンハイト)」、人間の最も内奥にある「魂の根底」、魂のうちに神が生まれる「神の誕生」、そして最終的に被造性を突き抜けたところに顕れる「神なき神性」。これらが、禅仏教の「無」「無心」「仏に逢うては仏を殺せ」の論法と構造的に重ね合わされ、西田幾多郎《にしだきたろう》の「絶対無《ぜったいむ》」との対話も展開される。

【影響と意義】

エックハルト研究と比較宗教哲学の双方にまたがる仕事として、日本語圏ではもっとも参照される論考の一つである。著者の『西田哲学への導き』『禅と現代世界』と合わせ、戦後日本の宗教哲学の継承を象徴する著作となっている。

【なぜ今読むか】

禅や瞑想がマインドフルネスとして広まる一方で、キリスト教神秘主義は依然として馴染みが薄い。本書はその垣根を外し、東西の「自我からの離脱」の思想を併せて味わえるまれな案内書である。

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