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チベット死者の書

ちべっとししゃのしょ

パドマサンバヴァ伝承·中世

死と転生の中間状態を導くチベット仏教の伝統的経典

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宗教哲学

この著作について

8世紀のインド密教僧パドマサンバヴァに帰される伝承文献『バルド・トェドル(中有における聴聞による解脱)』の邦題通称。14世紀にカルマ・リンパが「埋蔵経」として発見したとされる。

【内容】

死の瞬間から転生に至るまでの「中有(バルド)」の四十九日を、亡くなりつつある者の枕元で読み聞かせる構造をとる。死の直後に現れる「根源の光明」をそのまま自己と認識すれば解脱に至るという最も簡潔な道、続いて七日ごとに現れる平和的・忿怒的諸尊との出会い、転生先を決める業の働き、再生に至るまでの心理プロセスを、密教的象徴と心理的経験を融合させた独特の言語で描く。「バルド」概念は中間状態一般を指し、生きているうちの夢・瞑想・死後すべてに適用される。

【影響と意義】

W.Y.エヴァンス=ヴェンツによる1927年の英訳でユング、オルダス・ハクスリーらに紹介され、1960年代にはティモシー・リアリーらによってサイケデリック体験のガイドブックとしても受容された。日本ではチベット仏教研究の進展と並行して再翻訳が重ねられ、河合隼雄ら心理学者にも読まれた。

【なぜ今読むか】

死をタブーから引き出して儀式と思想のなかで扱う非西洋の精神的伝統に触れるための、最も体系的な古典である。

この著作で扱う問い

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