ル
『ルネサンス』
ウォルター・ペイター·近代
唯美主義に決定的影響を与えた美術批評集
哲学美学文学
この著作について
【内容】ウォルター・ペイターによるイタリア・ルネサンス期の芸術と詩人を論じた美術批評集である。1873年に初版が刊行され、原題は『The Renaissance: Studies in Art and Poetry』。ボッティチェリ、レオナルド、ミケランジェロらを論じる各章を経て、有名な「結論」では、生は刹那《せつな》の感覚の集積であり、芸術的経験を可能なかぎり燃焼させて生きるべきだとする審美的人生観が宣言される。
【影響と意義】「結論」の刹那的・審美的な生の肯定は、オスカー・ワイルドら唯美主義世代の生き方そのものを規定した。ワイルドはケンブリッジ留学中に本書を「黄金の書物」と呼び、人生の指針として繰り返し読んだとされる。19世紀末の芸術至上主義、デカダンス、世紀末文学の理論的源流として、英国近代の文芸思想に決定的な刻印を残した。
【なぜ今読むか】消費とパフォーマンスに追われ、感覚が痩せた現代において、経験の質と強度を生の核心に据えるペイターの議論は新鮮に響く。芸術と人生の境界を問い直す原典として今も生きている。
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