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孫文:近代化の岐路

そんぶん:きんだいかのきろ

深町英夫《ふかまちひでお》·現代

中国近代史家による孫文評伝

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歴史政治

この著作について

中国近代政治史を専門とする深町英夫《ふかまちひでお》による、孫文(そんぶん、中山)の生涯と思想を描いた評伝。岩波新書。

【内容】

本書はまず、広東省香山の農村に生まれた孫文が、ハワイ・香港での教育、医師としての活動を経て革命運動に身を投じる過程を追う。日本・東南アジア・アメリカでの亡命活動と資金集め、辛亥革命と中華民国臨時大総統就任、袁世凱との政治闘争、晩年の「三民主義」定式化と第一次国共合作までが、一次資料と同時代人の証言をもとに立体的に描かれる。

【影響と意義】

中国大陸と台湾の双方で「国父」とされる特異な存在としての孫文を、単純な英雄像からも単純な失敗者像からも切り離し、近代東アジアの交錯のなかに位置づける。大アジア主義の演説、ウィリアム・ヒンらの欧米観察、梅屋庄吉ら日本人支援者との関係も押さえられており、当時の国際政治と思想の絡まりが見える。

【なぜ今読むか】

現代中国とその周辺を理解する出発点として、孫文の選択と苦悩は今なお重要な参照点である。台湾海峡の緊張や中台関係のニュースを読むとき、両岸が共有する「国父」の思想的遺産に立ち返る視座を与えてくれる。

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