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社会主義下の人間の魂

しゃかいしゅぎかのにんげんのたましい

オスカー・ワイルド·近代

社会主義を個人主義の条件として擁護するワイルドの政治エッセイ

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政治文学

この著作について

オスカー・ワイルドが1891年に『フォートナイトリー・レビュー』誌に発表した長文のエッセイ。ドリアン・グレイの肖像と同年に書かれ、唯美主義者ワイルドが政治思想を正面から論じた唯一の本格的作品で、独特の自由主義社会主義論の古典である。

【内容】

社会主義を、経済的平等の実現のためというより、「人間が個性と創造性を存分に発揮するための条件」として擁護する独創的立場を展開する。貧困と苦しみの除去は善意ではなく制度によって達成されるべきで、慈善は貧困を延命させるだけだと批判する。私有財産の廃止によって人は所有の奴隷から解放され、労働は機械に委ねられ、各人は芸術家として自由に自己実現する——そうした楽観的ユートピア像が、警句的文体で展開される。

【影響と意義】

ショーやH・G・ウェルズを通じてフェビアン社会主義に、後にはアナキズム思想に受け継がれ、20世紀後半のボヘミアン的カウンターカルチャーの思想的根拠ともなった。ジェレミー・コービンが好んで引用することでも知られる。

【なぜ今読むか】

ベーシックインカム・労働時間短縮・AIによる労働置換が現実味を帯びる現代、先駆的に語られた楽観的ビジョンとして味わう価値がある。

著者

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