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The Significance of Free Will

Robert Kane·現代

自由意志論の主要立場(リバタリアニズム・決定論・両立論)を整理し、道徳的責任との関係を論じた入門概説書

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哲学

この著作について

自由意志のリバタリアン的立場を代表する現代哲学者ロバート・ケーンが、自由意志論争の主要立場を整理した入門的概説書。

【内容】

本書はまず、「自由意志が存在するかどうか」をめぐる論争の三つの古典的立場、すなわち宇宙が完全に決定されているとする決定論、自由と決定論は両立しうるとする両立論、自由のためには非決定性が必要であるとするリバタリアニズムを整理する。続いて、自由意志そのものを幻想とみなす懐疑主義的立場も紹介される。議論の軸はケーン自身が提唱する「究極の責任」の概念であり、自己の性格形成にかかわる重要な選択の場面で、非決定的な揺らぎが真の意味での自己決定を可能にする、と論じられる。量子力学的非決定性、脳科学のリベット実験、神経倫理学、司法における責任帰属など、現代的論点も丁寧に扱われる。

【影響と意義】

英語圏の自由意志論の標準的な教科書の一つとして、大学の哲学科で広く採用されている。ケーンの立場はデネットの両立論、カルーゾの懐疑論と並ぶ、現代自由意志論の三つの代表的ポジションの一角をなしている。

【なぜ今読むか】

脳科学、AI、遺伝情報が人間の行動を説明する度合いが高まるなか、「自分の選択は本当に自分のものか」という問いは避けて通れない。責任と非難の根拠を吟味し直したい人に、冷静な出発点を提供する一冊である。

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