聖
『聖徳太子』
しょうとくたいし
梅原猛《うめはらたけし》·現代
梅原猛《うめはらたけし》による全四巻の大部評伝
哲学日本思想古代史
この著作について
【内容】梅原猛が代表作『隠された十字架』に続いて取り組んだ全四巻の大部評伝である。仏教伝来から蘇我氏との関係、十七条憲法と三経義疏の思想的構造、そして山背大兄王《やましろのおおえのおう》ら太子一族の悲劇的な滅亡までを、東アジア国際情勢との連関のなかで描き出す。集英社から1980年代に刊行され、文庫版も全四巻で出ている。
【影響と意義】考古学・民俗学・宗教学を横断する梅原独自の方法で、太子像を単なる聖人伝から日本古代国家形成の鍵となる思想家へと立体化した。十七条憲法に流れる和の思想を、儒教と仏教の独創的統合として読み解く視点は、後の太子研究に大きな刺激を与えた。学術的厳密さと文学的筆致を兼ね備える。
【なぜ今読むか】古代日本の精神史が、いかに大陸からの思想受容と政治的緊張のなかで形成されたかを通史的に把握できる。一巻ごとに主題が異なるため、関心に応じて読み進められる構成も親切である。梅原哲学の出発点を理解する上でも欠かせない著作である。
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