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豊饒の海

ほうじょうのうみ

三島由紀夫·現代

輪廻転生を軸に20世紀日本を描いた三島最後の長編四部作

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文学

この著作について

三島由紀夫が1965年から70年にかけて執筆した四部作『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の総称。最終巻最終ページに「昭和45年11月25日」と記された三島の遺作であり、自決当日に最終回原稿を編集者に渡したと伝えられる、日本近代文学の記念碑的作品である。

【内容】

主人公・本多繁邦の人生を縦糸に、20歳前後で死ぬ三人の美しい青年男女——松枝清顕、飯沼勲、月光姫——が次々と輪廻転生していく物語が四巻にわたって展開される。大正の恋愛悲劇『春の雪』、昭和初期のテロリズム『奔馬』、戦中戦後のタイと日本を往還する『暁の寺』、そして老年の本多の崩壊を描く『天人五衰』へと、唯識《ゆいしき》と輪廻の仏教思想が現代小説の骨格として採用される。

【影響と意義】

三島の文学的遺言として同時代から圧倒的評価を受け、川端康成《かわばたやすなり》・ドナルド・キーンらを通じて世界文学のなかに位置づけられた。日本美・天皇制・暴力・老いといった三島晩年の主題の総合。

【なぜ今読むか】

死と生、美と権力、時間と記憶の関係を、20世紀日本を舞台に壮大に問い直す、読書体験として唯一無二の大河小説。

著者

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