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トルストイ·近代

裁判と流刑を通じて良心の再生を描いた晩年の長編

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文学宗教

この著作について

レフ・トルストイが1899年に公刊した最後の長編小説。トルストイが唱えた社会批判と宗教思想を一つの物語に結晶させた晩年の代表作で、刊行当時から教会・国家の双方から激しい反発を受けた。

【内容】

陪審員として法廷に座った貴族ネフリュードフは、被告席に、若い頃に自分が誘惑して捨てた娘カチューシャを発見する。彼女はいま娼婦となり、身に覚えのない殺人罪に問われている。自らの過去の罪を認めたネフリュードフは、誤審による彼女の流刑に同行してシベリアへ赴き、牢獄と流刑地の現実を目の当たりにしながら魂の再生を試みる。私有財産の放棄、家産の農民への分与、国家と司法への根底的な不信が、主人公の精神的遍歴と重ね合わされる。

【影響と意義】

本作をきっかけにトルストイはロシア正教会から破門され、その宗教思想は初期ガンディー、ローマン・ロラン、日本の内村鑑三、武者小路実篤らに繰り返し読まれた。20世紀初頭の非暴力主義・原始キリスト教運動の理論的背景となった。

【なぜ今読むか】

司法と刑罰の正義、富と階級の罪責感、過去をどう償うかといった主題は、現代の修復的司法や償いの倫理にそのまま接続する。

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