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自由討論集

じゆうとうろんしゅう

オッカムのウィリアム·中世

オッカムの公開討論を集録した後期スコラ学の代表作

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スコラ学唯名論オッカム

この著作について

唯名論を代表する中世哲学者オッカムのウィリアムが、教師として行った公開討論を集録した著作で、原題は『七巻本自由討論集』(Quodlibeta Septem)である。14世紀前半に成立した。

【内容】「クォドリベット(何についてでも)」と呼ばれる中世大学の討論形式に基づき、聴衆から提出される多様な問いにその場で応答した記録である。普遍の身分、神の絶対的全能と秩序的全能、未来偶然命題、倫理的命令の根拠、認識論における直観知と抽象知の区別など、後期スコラ学の最先端の論点が幅広く扱われる。各問題は対立意見の提示から自説の展開までスコラ的形式に従う。

【影響と意義】オッカムの体系的著作群と並び、彼の哲学・神学を理解する上で欠かせない資料である。神の自由意志を強調する立場と論理学的鋭さが際立ち、近世初頭まで影響を残した。完訳邦訳はないが、渋谷克美『オッカム哲学の基底』(知泉書館)に第2巻第7問題の羅和対訳が収録されるなど、抜粋のみ日本語で読める。

【なぜ今読むか】中世大学の生きた討論文化を伝える資料として、また唯名論の射程を具体的問題群を通して捉えるための入口として、思想史を学ぶ者にとって重要な文献である。

著者

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