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論理的観点から

ろんりてきかんてんから

W・V・O・クワイン·現代

現代における唯名論の問いを分析哲学的に再定式化した古典論文集

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哲学認識論

この著作について

ハーバード大学の哲学者W・V・O・クワインが、論理学と言語哲学の手法によって存在論・認識論の諸問題を再定式化した、二十世紀分析哲学の代表的論集。

【内容】

本書冒頭の論文「何があるかについて」では、存在論的コミットメントの基準が厳密に論じられ、「存在するとは、束縛変項の値になりうるものであることだ」という有名な定式が示される。続く「二つのドグマについて」では、分析・総合の区別と還元主義という経験論の二つの教義が根底から批判され、「経験の法廷に立つのは文の集合全体である」とする全体論的知識観が提示される。ほかにも、モーダル論理への懐疑、指示と同一性、抽象的対象の問題、翻訳の不確定性への布石となる論文が収められている。

【影響と意義】

本書はカルナップとの論争、セラーズ、デイヴィドソン、クリプキら後続の分析哲学者の仕事の出発点となり、科学哲学・言語哲学・形而上学の議論の共通基盤を作った。現代存在論、ベイズ認識論、認知科学における「概念」の議論まで、本書の影響は今も広く及んでいる。

【なぜ今読むか】

「それは本当にあるのか」「自明の前提を疑う」という哲学の根本作法を、現代論理学の道具で鮮やかに実演してくれる。骨のある読書だが、思考の土台を強くする価値が大きい。

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