フィロソフィーマップ
プ

『プロタゴラス』

古代

徳は教えられるかを問うプラトン初期の傑作対話篇

哲学

この著作について

プラトンが初期に執筆した対話篇。ソフィストの第一人者プロタゴラスがアテネに滞在している折に、ソクラテスが「徳は教えられるか」という問いをめぐって彼と論争する、プラトン初期対話篇の中でも文学的完成度の高い作品として名高い。

【内容】

若きヒポクラテスからプロタゴラスへの弟子入り相談を受けたソクラテスは、彼に同行し一流ソフィストたちの集う邸で対話に入る。プロタゴラスがプロメテウスとエピメテウスの神話を語って徳は誰もが学びうると主張するのに対し、ソクラテスは勇気・節制・知恵といった諸徳が実は一つのもの(知)に帰せられると論じ、さらに快に負けるとは無知にほかならないと説く。こうして、徳は教えられないと言っていたソクラテス自身が、徳はすべて知であり教えられると示すことになり、そこに逆説が生じる。長演説と短問答の方法論争も見どころ。

【影響と意義】

倫理教育の可能性、道徳的弱さ(アクラシア)問題、徳の統一性問題といった、現代倫理学が取り組み続ける論点の源泉となった。論敵のプロタゴラスを相応の敬意を持って描く対話篇でもある。

【なぜ今読むか】

「道徳教育は可能か」「専門家と市民の関係はどうあるべきか」という古典的問いが、2400年を経て鮮度を保っている。

著者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る