生
『生命医学倫理の諸原則』
せいめいいがくりんりのしょげんそく
ボーチャムプ&チルドレス·現代
生命医療倫理の四原則を確立した世界標準テキスト
倫理医療
この著作について
トム・L・ボーチャム(ジョージタウン大学)とジェイムズ・F・チルドレス(ヴァージニア大学)が1979年に公刊した、現代生命医療倫理学の事実上の世界標準テキスト(原題『Principles of Biomedical Ethics』)。版を重ね、現在第8版まで刊行されている。
【内容】
本書は生命医療倫理の「四原則アプローチ」を確立した。すなわち、自律尊重(respect for autonomy)、無危害(nonmaleficence)、善行(beneficence)、正義(justice)の四つの中核原則である。これらは特定の倫理理論(功利主義・義務論・徳倫理)から演繹されるのではなく、人類の道徳的経験に共有される「共通道徳(common morality)」から導かれる中道的・実用的なものとされる。インフォームド・コンセント、終末期医療、研究倫理、資源配分などの個別問題が四原則の観点から繊細に分析される。
【影響と意義】
世界の医学部・看護学部・倫理委員会で標準教科書として採用され、ヘルシンキ宣言の改訂や各国の医療倫理ガイドラインの理論的基盤となった。日本でも医療従事者の倫理研修の必読書として広く使われている。日本語訳は『生命医学倫理』として麗澤大学出版会から複数版が出ている。
【なぜ今読むか】
医療現場の実際の倫理的ジレンマ(延命治療の中止、臓器移植、遺伝子検査)を考える共通言語を提供する。生命倫理を実務的に学ぶための定番。