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ポリアーキー

ロバート・A・ダール·現代

民主主義の現実を分析する政治学の古典

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哲学政治哲学社会思想

この著作について

アメリカの政治学者ロバート・A・ダール(Robert A. Dahl、1915〜2014)が1971年にイェール大学出版から刊行した『Polyarchy: Participation and Opposition』の邦訳である。岩波文庫版は高畠通敏・前田脩訳で2014年に刊行された。

【内容】

本書は理念としての「デモクラシー」と現実に存在する近似的な体制とを概念的に区別し、後者を「ポリアーキー(多頭支配)」と呼ぶ。ポリアーキーの指標として「公的異議申し立て(自由化)」と「包括性(参加)」の二軸を提示し、両次元の組み合わせから諸体制を分類する。続いて代議制・大規模社会の必要性、民主主義が前提とする条件、市場経済との緊張関係、不平等と民主主義の退行のリスクが論じられる。

【影響と意義】

ダールの民主主義理論の前史と並ぶ重要な集大成であり、比較政治学・政治理論の基本書として世界の大学で標準的に用いられてきた。リンスやスティーヴン・レヴィツキーら後続の民主化研究・民主主義崩壊論はすべて本書の枠組みを下敷きにしている。日本でも前田健太郎の比較政治学に決定的な影響を与えた。

【なぜ今読むか】

権威主義的傾向の強まる現在、民主主義はどこまで「民主的」かを測る共通の物差しが必要になる。本書の二軸は今も有効な思考の補助線である。

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