建
『建国方略』
けんこくほうりゃく
孫文·現代
革命後の中国再建を構想した孫文の実践論集
政治アジア
この著作について
孫文が1917〜1920年にかけて順次書き上げ、公刊した全3篇からなる政治・経済論集。辛亥革命後の混乱と袁世凱の独裁を経た中国を立て直すための総合的な建国計画として構想された、革命後期の主著である。
【内容】
第1篇「心理建設」(孫文学説)では、「知ることは難しく、行うことは易しい(知難行易)」という独自のテーゼを立て、中国再建を阻む最大の障害が知識エリートの観念的躊躇にあると論じる。第2篇「物質建設」(実業計画)では、鉄道・港湾・運河・食糧増産など大規模インフラ整備の具体的計画を提示し、国際的な資本導入による近代産業国家像を描く。第3篇「社会建設」(民権初歩)では、議事法と市民的討議の作法を教科書のように解説し、民主主義の土台づくりを説く。
【影響と意義】
中国国民党の政策綱領の起点となり、特に第2篇の「実業計画」は後の五カ年計画や一帯一路構想に至るまで、中国の大規模開発政策の発想源としてしばしば参照される。民権初歩は戦後台湾の公民教育にも浸透した。
【なぜ今読むか】
革命後に何をどう作るかという問いに、心理・物質・制度の三層で答えようとする整理は現代の国家建設論にも応用が効く。
著者
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