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日本近代文学の起源

にほんきんだいぶんがくのきげん

柄谷行人《からたにこうじん》·現代

柄谷行人が日本文学研究に衝撃を与えた画期的著作

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文学哲学

この著作について

批評家・柄谷行人《からたにこうじん》が雑誌連載ののち大幅に改稿してまとめた、日本文学研究にパラダイム転換をもたらした批評の決定版。

【内容】

本書の核は、日本近代文学の諸前提とされてきたものが、明治二十年代から三十年代にかけて「起源」として事後的に構成されたという指摘にある。国木田独歩《くにきだどっぽ》の風景描写を手がかりに「風景の発見」の章が、島崎藤村《しまざきとうそん》や田山花袋《たやまかたい》の告白を素材に「内面の発見」の章が、写生文と言文一致運動を扱う「告白という制度」「児童の発見」「病の意味」などの章が続く。いずれも、「自然な経験」として扱われてきた風景・内面・病・子どもが、実は近代日本の特定の制度のなかで作られたものであると明らかにされる。

【影響と意義】

英訳版がフレドリック・ジェイムソンの序文を付して刊行され、日本研究・比較文学・ポストコロニアル批評に大きな影響を与えた。日本近代文学を、西洋モダニズムの単なる移植として論じる枠組みを根本から書き換えた点で画期的である。

【なぜ今読むか】

SNSで日々更新される「自分」「自然」「心」「子ども」といった語彙の重みを、歴史的に相対化する目を鍛えてくれる。文化を外側からながめる視点を身につけたい読者にとって、刺激の絶えない書物である。

著者

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