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歴史の起源と目標

れきしのきげんともくひょう

ヤスパース·現代

「枢軸時代」概念で世界史を捉え直したヤスパース晩年の構想

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哲学歴史

この著作について

カール・ヤスパースが第二次大戦後の1949年に公刊した歴史哲学書。戦争とホロコーストを経験した西洋が自らの歴史を相対化する必要に迫られたこの時期、世界史の新しい座標軸として有名な「枢軸時代(Achsenzeit)」仮説を提示した著作である。

【内容】

紀元前800年から前200年ごろにかけて、中国の諸子百家、インドのウパニシャッドと仏陀、イランのゾロアスター、パレスチナの預言者、ギリシアの哲学者たちが、たがいに連絡を持たないまま世界の複数の地域で同時に思想的革命を起こしたと指摘する。ヤスパースはこの期間を人類史の「枢軸」と呼び、以後の宗教と哲学のすべてがそこから流出したと論じる。あわせて、プレ枢軸時代の古代文明、技術時代の到来、未来史の可能性までを広く射程に収める。

【影響と意義】

「枢軸時代」概念は歴史社会学(アイゼンシュタット、ベラー、バートン)、文化人類学、宗教学で現在も主要な参照枠となっており、世界史を西洋中心から複数中心へ開く語彙を提供した。

【なぜ今読むか】

グローバル化とナショナリズムが並走する時代に、世界史を複数の知的中心の響き合いとして見る発想が効く。西洋一極史観から自由になる入口として読める。

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