西
『西周《にしあまね》全集』
にしあまねぜんしゅう
西周(著)/大久保利謙(編)·現代
日本近代哲学研究の基礎史料となる全4巻全集
哲学
この著作について
西周の論文、草稿、書簡、日記、詩歌などを網羅した全4巻の全集である。歴史家・大久保利謙が編纂し、宗高書房から1960年に第1巻が刊行された。最終巻まで含めると刊行は1981年に及ぶ大事業であった。
【内容】
当初は3巻構成として企画されたが、長く絶版状態にあった『百学連環』を完全に収めるため4巻へと拡張された経緯を持つ。第1巻には主要論考、第2巻に翻訳と講義録、第3巻に未公開草稿、第4巻に書簡・日記・年譜が配される。「哲学」「主観」「客観」「理性」「悟性」「概念」など、西が造語または定着させた訳語の生成過程をたどることができ、明治啓蒙期の知的格闘の現場が立ち上がってくる。
【影響と意義】
本全集の刊行により、それまで散逸していた西周の業績が一望できるようになり、日本近代哲学史研究は質的な飛躍を遂げた。船山信一、植手通有、菅原光ら後続の研究者は、いずれも本全集に依拠している。
【なぜ今読むか】
日本語で哲学する営みがどこから始まったかを知るための一次史料である。翻訳語の選択をめぐる西の苦闘は、外来概念を引き受ける現代の作業にもそのまま通じる。
著者
関連する哲学者と話してみる
