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日本書紀

にほんしょき

舎人親王《とねりしんのう》ほか編·古代

日本最古の正史・神代から持統天皇までの編年体史書

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歴史文化・宗教

この著作について

舎人親王《とねりしんのう》らが編纂し、養老4年(720)に完成した日本最古の勅撰正史。全30巻と系図1巻からなり、神代から持統天皇(在位686〜697)までを編年体で記述する漢文体の歴史書である。

【内容】

上巻は神代の天地開闢・国生み・天孫降臨を、中巻は神武天皇から応神天皇までを、下巻は仁徳天皇以後を天皇ごとに記述する。漢字で日本語を表記する工夫(万葉仮名的用法)、物語性のある記述、歌謡の挿入が特徴で、同時代の古事記より文学的・神話的色彩が薄く、中国の正史に倣った公式記録としての性格が強い。一書《あるふみ》を多数併記する独特の構成により、伝承の多層性を保存する。

【影響と意義】

本居宣長《もとおりのりなが》が35年をかけて古事記伝『古事記』を読み解く一方、本書は律令国家の公式史観を伝える基本史料として、平安時代以降「六国史」筆頭に位置づけられた。津田左右吉の文献批判以降は史料としての位置づけが見直されたが、神話学・古代史・国文学の最重要原典である。

【なぜ今読むか】

日本という国家の自己像がどう構築されたかを知るうえで欠かせない。多神教的世界観と律令的合理性が同居する原テクストとして、現代の日本論にも通じる視点を与える。

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