古
『古事記』
こじき
太安万侶 編·古代
日本最古の歴史書・神話集
文学日本歴史
この著作について
712年、元明天皇の勅命を受けた太安万侶《おおのやすまろ》が、稗田阿礼《ひえだのあれ》の誦習を筆録して完成した日本最古の歴史書。
【内容】
全3巻。上巻は天地開闢からイザナキ・イザナミの国生み、アマテラス大神の岩戸隠れ、スサノオの八岐大蛇退治、ヤマタノオロチ、出雲神話、天孫降臨までを神話として描く。中巻は神武天皇から応神天皇までを、下巻は仁徳天皇以後を天皇ごとに記述する。漢字で日本語を表記する工夫(万葉仮名的用法)、物語性のある記述、歌謡の挿入が特徴で、同時代の『日本書紀』より文学的・神話的色彩が濃い。
【影響と意義】
本居宣長《もとおりのりなが》が35年をかけて『古事記伝』で本書を解読し、国学の基本経典として位置づけた。以降、神道・歴史学・文学研究の基礎文献となり、近代以降も繰り返し再解釈されている。古代の日本語と日本人の世界観を伝える貴重な資料である。
【なぜ今読むか】
神々の物語として読むも、古代人の想像力と倫理観の記録として読むも自由。神話という形式で現代人の問いに応答する原初の文学として味わいたい。