新
『新しい学』
あたらしいがく
ジャンバッティスタ・ヴィーコ·近代
歴史学的方法論を初めて体系化したヴィーコの思想史的記念碑
歴史哲学
この著作について
ナポリの哲学者ジャンバッティスタ・ヴィーコ(1668〜1744)が1725年に初版を、1744年に決定版第三版を公刊した(原題『La Scienza Nuova』)。歴史哲学・社会学・文化人類学の理論的源流に立つ歴史的著作である。
【内容】
ヴィーコは、デカルト以来支配的だった数学・自然科学的真理観に対して、歴史こそが人間の真理に最も近い知だと論じる。「真理と作られたものは置き換え可能(verum-factum)」という原理に従えば、神は自然を作ったから自然を真に知るが、人間は歴史を作るから歴史を真に知ることができる。本書は、神々の時代・英雄の時代・人間の時代という三段階の循環的歴史発展論を提示し、神話・詩・法・言語・宗教を交差させて諸民族の発展史を描く。「詩的知恵」概念により、合理的言説に先立つ詩的・神話的思考を歴史的事実として扱う点が画期的である。
【影響と意義】
生前は無名だったが、19世紀ヨーロッパでヘルダー、ミシュレ、マルクスに発見され、20世紀のクローチェ、コリングウッド、エドワード・サイード、ハロルド・ブルームらが相次いで再評価した。歴史主義、解釈学、新歴史主義文学批評、ポストコロニアル理論の理論的源泉。
【なぜ今読むか】
科学的合理性と物語的合理性の双方を哲学に位置づける本書は、AIと感性の関係を考える現代にも示唆深い。