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『ナポレオン:英雄か独裁者か』
なぽれおん
野村啓介·現代
ナポレオンの生涯と時代を描く評伝
政治入門
この著作について
フランス近代史家・野村啓介《のむらけいすけ》による、ナポレオン・ボナパルトの生涯と時代を描いた評伝。
【内容】
本書は、コルシカ島の下級貴族の家に生まれたナポレオンが、フランス革命の動乱のなかで軍事的才能を発揮し、イタリア遠征、エジプト遠征を経て、ブリュメール十八日のクーデタで権力を握り、皇帝として戴冠するまでを描く。続いて、ナポレオン法典の編纂、教育・行政・財政の改革、大陸封鎖令、スペイン戦争、ロシア遠征の失敗、ワーテルローの敗北と百日天下、セントヘレナ島での最期までを、政治・軍事・制度の三方向から叙述する。革命の子でありつつ帝政を築いたという矛盾を、冷静に見つめる筆致が貫かれる。
【影響と意義】
ナポレオン体制は、近代的官僚制、法制度、国民軍、ナショナリズムの原型をヨーロッパ全域に広めた。本書は英雄神話と否定的評価の双方から距離を取って吟味し、日本語で読める堅実なナポレオン像を提供する。
【なぜ今読むか】
単なる軍事史に陥らず、近代国家建設者としての功罪を冷静に測る視点が一貫している。フランス革命から十九世紀ヨーロッパへの橋渡しを理解するための信頼できる入り口であり、強力な指導者像をめぐる現代の議論にも示唆を与える。
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