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『ナポレオン:最後の専制君主、最初の近代政治家』
なぽれおん:さいごのせんせいくんしゅ、さいしょのきんだいせいじか
杉本淑彦《すぎもとよしひこ》·現代
戦争・法制・神話の三位一体でナポレオンを読み解く評伝
歴史政治
この著作について
フランス近代史家・杉本淑彦《すぎもとよしひこ》による、ナポレオン・ボナパルトの生涯と遺産を多角的に論じた評伝。岩波新書。
【内容】
本書はまず、コルシカ島の小貴族に生まれたナポレオンが、革命戦争のなかで頭角を現し、統領政府からフランス皇帝へ登り詰める過程を追う。軍事的天才としての側面、民法典(ナポレオン法典)・教育制度・宗教政策の整備、対英・対ロシア戦争の失敗、百日天下と流謫《りゅうたく》までが手際よく描かれる。さらに十九〜二十世紀のナポレオン神話の形成、共和主義と独裁主義のあいだを揺れる評価史、ヘーゲルやスタンダールの証言が並置される。マリー=ルイーズとの政略結婚、兄ジョゼフへの諸国分配、レジオンドヌール勲章の創設など、近代国家の制度設計者としての側面も強調される。
【影響と意義】
専制君主と近代官僚国家の建設者、革命の完成者と裏切り者、という矛盾を同時に担った人物像を、政治・法制・軍事・神話の四層で捉え直す視座を提供する。
【なぜ今読むか】
強いリーダーへの待望論が再燃するとき、「近代の影」であるナポレオンに戻るのは意味がある。
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