〈
『〈子ども〉のための哲学』
こどものためのてつがく
永井均《ながいひとし》·現代
「考えるとはどういうことか」を体験させる永井均《ながいひとし》の入門書
哲学入門
この著作について
哲学者・永井均《ながいひとし》による、子どもの素朴な問いを起点とした哲学入門書。講談社現代新書、1996年刊。長く版を重ね続けるロングセラーである。
【内容】
本書は「なぜ僕は存在しているのだろう」「なぜ悪いことをしてはいけないのだろう」という、子どもなら一度は感じたことのある問いから出発する。永井はこれらを大人が「そういうものだ」と片付けてしまう問いとして退けず、むしろ哲学の出発点として真剣に追いかける。〈私〉の比類なさ、規則を守る根拠のなさ、世界が存在することの不思議さといった、永井哲学の核心テーマがやさしい語り口で展開される。
【影響と意義】
タイトルに「子ども」とあるが、内容は大人にとっても刺激的である。哲学を「他人の出した答えを覚える学問」としてではなく、「自分自身の問いをほどいていく営み」として体験させてくれる。永井『これがニーチェだ』『私・今・そして神』『〈私〉の存在の比類なさ』への入口としても機能する。
【なぜ今読むか】
子どもの頃に抱いた違和感を、大人になった今もう一度立ち上げ直すための一冊である。哲学を「使える教養」ではなく、自分の生に届く営みとして取り戻したい人に薦めたい。