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近代能楽集

きんだいのうがくしゅう

三島由紀夫·現代

古典能を現代劇として蘇らせた三島戯曲の代表作

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文学

この著作について

三島由紀夫が1950年代を通して書き継ぎ、1956年に新潮社から一冊にまとめて公刊した戯曲集。古典能の傑作を現代の都市生活のなかに翻案した全8篇からなり、戦後日本戯曲の金字塔として国内外で繰り返し上演され続けている。

【内容】

「邯鄲《かんたん》」「綾の鼓」「卒塔婆小町」「葵上」「班女」「道成寺」「熊野」「弱法師」の8篇を収める。各篇は世阿弥や観世の能の筋を踏まえながら、舞台を戦後東京の公園、病院、下宿、新興住宅地、銀座のバーなどに移し、夢幻能の構造のまま現代の欲望と怨念を照らし出す。ラシーヌ風の韻律と能の様式感が交差する独特の文体が、日本語戯曲の新しい地平を開いた。

【影響と意義】

日本では文学座、劇団雲、新劇団体を中心に繰り返し再演され、国際的にもドナルド・キーンの英訳によってニューヨーク、パリ、ベルリンで広く上演された。能と西洋劇を架橋する試みとして、鈴木忠志、佐藤信ら後続世代の演出家にも影響を与えた。

【なぜ今読むか】

古典の再解釈として極めて成功した例を短い戯曲で体験できる。伝統と現代を自分の手で繋ぎ直したい読者・観客にとっての必読書である。

著者

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