フィロソフィーマップ

母性社会日本の病理

ぼせいしゃかい にほんの びょうり

河合隼雄·現代

河合隼雄が日本の家族・社会の心理的構造を分析した古典的著作

Amazonで見る
心理学

この著作について

ユング派分析家・河合隼雄《かわいはやお》が、日本社会の特質を「母性原理」の優位として読み解いた名著。家族の悩みや社会の息苦しさを深層心理の言葉で捉え直す。

【内容】

西洋社会を支える「父性原理」が規律・切断・個人の確立を軸とするのに対し、日本社会は「母性原理」すなわち包み込み・同化・すべてを平等に扱うことの論理が強く働いていると分析する。その結果として、甘え・共依存・集団への同調圧力・個の未確立・「永遠の少年」的な成熟の回避といった病理が生じると論じる。臨床事例を通じて、家族神話や思春期の危機が具体的に描き出される。

【影響と意義】

土居健郎《どいたけお》の『「甘え」の構造』と並び、日本社会の心理構造を読み解く基本文献として参照され続けている。教育・家族論・ジェンダー論に広く影響を与え、日本的な自己のあり方を問い直す視点を提供した。欧米の理論を輸入するだけではない、日本から発する心理学の到達点の一つである。

【なぜ今読むか】

毒親・共依存・同調圧力といった現代の家族・職場の苦しみの根にあるものを、個人の性格問題ではなく文化の構造として捉えられるようになる。

この著作で考えられる悩み

Amazonで見る